本の紹介『三千円の使いかた』

ブタの貯金箱の画像

本のタイトルを見た時は、お金の使い方に関することが書かれた実用書かと思う人もいるでしょうが、この本は様々な世代の主人公達がお金についての悩みに向き合う小説です。今回は、お金のことを考えるきっかけにもなる『三千円の使いかた』を紹介します。

本の情報

著者:原田ひ香

1970年、神奈川県生まれ。2007年に『はじまらないティータイム』で作家デビューし、第31回すばる文学賞を受賞。『古本食堂』、『ランチ酒』などの著書あり。

出版社:中央公論新社

ISBN:978-4120050701(単行本) 978-4122071001(文庫)

発売日:2018/4/18(単行本) 2021/8/20(文庫)

価格:1,650円(単行本) 770円(文庫)

ページ数:300p(単行本) 349p(文庫)

本の内容

就職して一人暮らしを始めた美帆、結婚して幼い子どもがいる専業主婦の姉の真帆、二人の母の智子、1000万円の貯金はあるが老後に不安を感じている祖母の琴子が主な登場人物。それぞれが直面するお金に関する悩みや問題などが描かれている物語です。

本の感想

“銀行の金利キャンペーン”、“貯金”、“固定費削減”、“投資信託”、“ポイ活”、“ブログ”、“家計簿”など関心のあるワードがいくつか出てきました。実際に自分でも実践していることだったので、身近な話題で読みやすかったです。

独身や子どものいる家庭、老後など違う視点からそれぞれの悩みなどが描かれていて、共感したり参考になったりするエピソードもありました。

私はまだ子どもはおらず夫婦二人暮らしですが、日々節約をしながら投資やポイ活をしている真帆には同じような実践をしていることもあって共感しました。

また、奨学金返済の話は印象に残りました。美帆の結婚を意識し始めた彼氏に数万円の奨学金の返済があると発覚し、その奨学金は親が子どもに黙って借りたものでした。私は、奨学金というものが子どもに大きな負担を強いることがあるということを改めて認識しました。また、もし将来子どもの進学で奨学金も選択肢に入れる必要がある場合は、借りるのかどうかということも含めて子どもとはしっかり話し合いをしたいと考えました。

それから、老後の不安と生きがいから仕事を始めた73歳の琴子の話では、自分はいつまで働くのかということや自分たちの場合は老後のお金がどのくらい必要なのだろうかなど改めて考えるきっかけになりました。

この本を読むことで、お金の価値観や使い方などを改めて見つめなおすことができました。

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