本の紹介『お探し物は図書室まで』

図書室の画像

お仕事や生き方で不安を感じている人もいると思います。この本は、5人の主人公たちの人生を追体験することで少し自分の気持ちを後押ししてもらえる作品だと感じました。本作は「2021年本屋大賞」で2位に選ばれています。

本の情報

著者:青山美智子

1970年、愛知県生まれ。第28回パレットノベル大賞佳作受賞。デビュー作『木曜日にはココアを』が第1回宮崎本大賞を受賞。同作と2作目『猫のお告げは樹の下で』が未来屋小説大賞入賞。『赤と青とエスキース』は「2022年本屋大賞」で2位に選ばれている。『鎌倉うずまき案内所』、『月曜日の抹茶カフェ』などの著書あり。

出版社:ポプラ社

ISBN:978-4591167984

発売日:2020/11/11

価格:1,760円

ページ数:300p(単行本)

本の内容

5つの短編で構成されていてそれぞれ違う主人公がいますが、各短編が少しずつつながっています。主人公はみんな悩みを抱えていて、訪れた区のコミュニティハウスの図書室で本を借りようとした時に司書から希望の内容の本と共に、関係なさそうな本も1冊紹介されます。それと、付録と言って羊毛フェルトを渡されます。その紹介された本と付録がその後の主人公たちの助けになります。

本の感想

登場人物は5人は年齢や性別、境遇が異なるのですが、それぞれに対して少しずつ共感できる部分がありました。

第二章の主人公は35歳の家具メーカーの経理部で、いつかアンティーク雑貨店を開く夢を持っています。ですが、仕事で時間がない、貯金がない、もし失敗したらなどと考えて一歩踏み出せずにいます。しかし、図書室を訪れた後にパラレルキャリアという本業を持ちながら第二の活動をするという考えを知り、その実践者の安原さんと話をしたことでアンティーク雑貨店の開店に向けて行動を起こすことができるようになります。

私はこの作品で初めてパラレルキャリアと言葉を知りました。今はこの主人公のように将来お店を開きたいといった夢などはありませんが、これから何かやりたいことができた時にこういう考え方もあるということを知ることができたというのは収穫でした。

この本を読んですぐに何かが変わるということはないかもしれませんが、5人の主人公たちの物語を通して自分のことを見つめなおすきっかけになって、少し前向きな気持ちになることができる作品だと思いました。

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