図書館でおはなし会(絵本の読み聞かせ)

絵本の読み聞かせ
私は公共図書館でおはなし会の経験があります。

また、一時期小学校のおはなし会にも読み聞かせボランティアとして関わったこともあります。

これまで経験してきた中で感じたこと、考えたことをまとめてみました。

お仕事やボランティアでおはなし会を行う機会がある方もいらっしゃると思います。

もしかしたら、これから始めたいという方もいるかもしれません。

そのような方々に少しでも参考になれば幸いです。

おはなし会の効果

私は、おはなし会には子どもの想像力を豊かにする効果があると考えています。

図書館のおはなし会の参加者の中にはまだ字が読めない子どももいます。

絵本には様々な世界が広がっていて、文字の読めない子どもでも絵と読み手の言葉でその世界に入ることができます。

物語を体験したり、新たなことを知ることもできるのです。

絵本を選ぶ

私がおはなし会のための絵本を選ぶ時に意識している点は以下の4つです。
  • 多めに選ぶ
  • 参加者の対象年齢を意識して選ぶ
  • 物語、科学ものなどバランスよく選ぶ
  • 絵が遠目からでもはっきりしているものを選ぶ

多めに選ぶ

絵本は自分の持ち時間より多めの本を選んでいます。

主な理由は2つあります。

1つ目は参加者の年齢層が回によって異なるためです。

例えば、想定したよりも参加者の年齢層が低かった場合、読む予定の絵本だけ選んでいるとその年齢の子どもたちには難しい内容のものになってしまうことがあります。

そういう時のために年齢層の低い子どもが多くても対応できるような絵本を多めに選んでおきます。


2つ目は時間の調整をできるようにするためです。

絵本には読んでいると子どもの反応の違いで間のとりかたが若干変わる内容のものもあります。

例えば、物のシルエットがあって次のページで何か分かるというような絵本があります。

私の場合、そういう絵本を読む時に子どもが何だろうって考えてる場合は、次のページをめくるまでの間を少し長めにします。

そして、予定の時間より長くなりそうな時に短い時間で読める絵本を予備で用意しておくと時間の調整をすることができます。

参加者の対象年齢を意識して選ぶ

あらかじめ参加者の対象年齢を指定している場合や誰でも参加可能な場合など様々です。

細かな対象年齢を設定していない場合は、これまでの参加者の年齢層がどうなのかをだいたいでよいので把握しておいた方がよいです。

その年齢層を意識して絵本を選んでいきます。

導入、物語、科学ものなどバランスよく選ぶ

子どもの興味はそれぞれ違います。

物語の絵本が好きな子どもだけではありません。

それで、私が絵本を選ぶ時は、物語以外に季節に合った科学絵本、おはなし会の導入やちょっと変化をつけられるような短い時間で読めるような絵本も選ぶようにしています。

場面が遠目からでもはっきりしているものを選ぶ

細かい描写の絵ではなく遠目からでもどんな場面か分かるような絵本がおはなし会には適しています。

また、場面が細かく分かれてない絵本がよいです。

見開き1ページに1つの場面が来るようなものを基本と考えておくとよいかと思います。

絵本を読む

  1. 表紙のタイトルを読む
  2. 表紙を開いてタイトルページを読む
  3. 読み終わった後、裏表紙を見せる
  4. 最後に再び表紙を見せる

私の場合は、おはなし会で絵本を読む時はこのような流れで読んでいます。

絵本によっては裏表紙が表紙とつながっているものもあります。

そういった絵本は広げて見せるようにしています。

絵本の持ち方・めくり方

絵本の持ち方

  • 絵本を体の横にくるように持つ
  • 開いた絵本の真ん中の下を片手で持って支える
  • ページをめくるときに絵を隠してしまわないようする
絵本を持つ時には、子どもが絵を見やすいようにということを意識しています。

自分が読みやすい向きになってしまい、子どもが絵を見にくくなるということがないようにしましょう。

そして、絵本を支える時にはページをめくる時にグラグラしないしないように気を配ってください。

下読みをする

おはなし会のプログラムを決める前には下読みをして時間を計っておいた方よいです。

絵本の紹介をしている本などに所要時間が書かれていることがあります。

読む人によって若干時間は変わりますので、その時間は参考程度と考えておいた方がよいです。

下読みでかかった時間をプログラムを組む時の目安の時間としてください。 


また、絵本には右開き、左開き、縦に開くものなどつくりに違いがあります。

下読みの時には絵本がどういうつくりになっているかを確認して、めくり方を練習しておくと本番でスムーズにめくることができます。

おはなし会のプログラム

絵本だけだったり、紙芝居や手遊びやおはなし(ストーリーテリング)などを合わせたりと色々なパターンがあると思います。

また、時間や読み手の人数にも違いがあるでしょう。

おはなし会をする時には事前にどんなプログラムにするかを決めておく必要があります。

設定時間や読み手の人数、対象の年齢層などを考慮して決めましょう。

時間については少し余裕をもってプログラムを組んでおくとよいと思います。

日付、読んだ絵本、参加人数、参加者の様子などおはなし会の記録をつけているところは多いのではないかと思います。

そういった記録もプログラムを組むうえで参考になると思います。

小学校と公共図書館の違い

小学校でおはなし会をした経験があるので私が思ったそれぞれの違いについてを述べます。

小学校でのおはなし会は朝の時間のクラスの教室やお昼休みの図書室などで行われます。

ここでは、クラスの教室でのおはなし会と図書館でのものとの違いについてです。
  • 齢層が揃っている
  • 教室でおはなし会をする場合は、対象が固定される
クラスでのおはなし会は対象の年齢層が揃っているため、使う絵本も絞って選ぶことができます。

基本的に同じ子どもを対象にするので、図書館でのおはなし会以上に毎回の記録は大事になると思います。

記録や他の読み手の方の意見を参考にしながら臨むとよいと思います。

最後に

少しは参考になったでしょうか?

とはいえ、絵本の世界、おはなし会は奥が深い!

絵本のことだったり、他の読み手を見てだったり、子どもたちの反応に気づかされたりと新たな発見がまだまだあります。

皆さんがこれから絵本やおはなし会についてもっと知りたいと思った時、関連本を読んだり講習を受けることもあるかと思います。

一人の講師、1冊の本だけを参考にしないで、関連本もいくつか読んで共通する内容や異なっている考えを知って自分なりに解釈して実践していくとよいのではないかと考えます。

最後に、絵本を選んだり、おはなし会のことを知るのにおすすめの本を2冊紹介します。

  • 『えほんのせかい こどものせかい』/松岡享子
  • 『絵本の庭へ (児童図書館基本蔵書目録 1)』

『えほんのせかい こどものせかい』は1987年に単行本が刊行され、2017年に文庫化されています。

刊行してから時間が経過してはいますが、子どものこと、絵本のこと、読み聞かせのことなど今でも参考になる内容となっています。

『絵本の庭へ (児童図書館基本蔵書目録 1)』は1,157冊の絵本の表紙と簡単な紹介が載った絵本リストです。

対象年齢や読み聞かせに適しているかが分かるマーク、様々なキーワードから絵本を探すことのできる索引がついています。

詳細は下のリンクをご覧ください。

絵本の庭へ(児童図書館基本蔵書目録1)/東京子ども図書館HP

参考サイト


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